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雲水

「安珍清姫伝説」にちなんだ釣鐘型の焼き饅頭

焼きたてはふんわり、時間が経つにつれ、しっとりした食感に。それぞれ味わい深い

 ♪とんとん お寺の どうじょうじ~釣鐘はたいて身を隠し~安珍清姫蛇に化けて~七重に巻かれてひとまわり~ひとまわり~♪という歌でも知られる道成寺。大宝元年(701年)、文武天皇の勅令で建立された和歌山県最古のお寺である。歌や歴史は知らずとも、「道成寺もの」として能楽、人形浄瑠璃、歌舞伎で演じられている「安珍清姫の物語」は耳にしたことがある人もいるのでは?
 …参拝途中、一夜の宿を求めた僧・安珍に、清姫が懸想の恋の炎を燃やし、裏切られたと知るや大蛇となって安珍を追い、道成寺の鐘の中に逃げた安珍を焼き殺す…という怖く、節ない悲愛の物語。
 道成寺界隈にはこの「安珍清姫の物語」にちなみ、釣鐘型の焼きまんじゅうを販売するお店がたくさん。独自に工夫し、お店によって味や形が少しずつ違うため、食べ比べする観光客も多いという。
 なかでも圧倒的な人気を誇るのは、創業100余年のつりがねまんじゅうの老舗「雲水」だ。職人の手作業が生み出す伝統の味を求め、地元の人や参拝客が次々と店に訪れる。
 店頭には評判のつりがね饅頭をその場でいただけるスペースも。無料サービスのお茶とともにゆっくり楽しみたい、上品な甘さが魅力だ。


年代ものの木箱に白あんや黒あんなど、種類別に並べられた、つりがねまんじゅう

道成寺門下、お寺に一番近い雲水の新館では、安珍清姫物語を絵パネルで展示


モンドセレクションの最高金賞受賞

材料は小豆と砂糖、小麦粉に玉子、ハチミツのみ。「シンプルだからこそ、作り手の思いが味に表れるんです」と社長の黒田量也さん

 雲水のつりがねまんじゅうは、国際的な食品品評会の第49回モンドセレクションの和菓子部門で最高金賞を受賞した逸品。1961年、ベルギー政府とECが共同して、食品の品質向上をテーマにスタートしたモンドセレクションは、「食品のノーベル賞」と呼ばれるほど権威あるコンクールで、その最高金賞は最も優れたものに贈られる。
 「昔ながらの和菓子が世界で認められて、とても嬉しいですね」とは4代目社長の黒田量也さん。約80年前に作り始めた祖父、 久一さんの思いを受け継いで、昔と変わらない製法で仕上げる。添加物を一切使わない、やさしい味わいが特徴だ。
 黒田社長が“つりがねまんじゅうの命”と言う絶品あんこ作りは、朝5時からスタート。なんせ手間が掛かるから、早くから仕込まないと開店に間に合わない。「大釜でゆっくりじっくり時間をかけて。気の長い人じゃないと、あんこ作りは務まらないですね」。
 自慢のあんこを包む生地にはハチミツを加え、ふんわりとした洋菓子のような食感に。こし餡と白餡が定番人気、箱入りのものには安珍清姫の絵物語のイラストが入る。


昭和13年、和歌山にご来訪された皇太子殿下につりがねまんじゅう献上との記録も

店内には和紙で作ったねぶた吊り鐘が。高さ1.5m以上ものインパクトある巨大サイズ


今春より新登場!ヘルシーな釣鐘蒸し料理

“幻の高級魚”と呼ばれるクエをお昼は一人鍋で堪能できる。目の周りは特にプルップル

 2階の食事処は座敷席やテーブル席、ゆっくりと落ち着ける個室もあり、小人数から大型団体まで人数や目的に合わせて選べる。
 和歌山名物の「クエ」料理は、気軽に楽しめる定食から、湯引きや鍋、唐揚げなど、豪華フルコースまで多彩にそろう。クエのキリッと上品な白身のよさと、パワフルで濃厚なコク、そしてたっぷりと含まれるコラーゲンの効用は、一度体験するとやみつきものの素晴らしさだ。
 また今春よりお目見えした「釣鐘蒸し」もオススメのメニュー。釣鐘を模した特注の鍋で、豚肉や海鮮、野菜を10分ほどじっくりと蒸し上げて、ポン酢やゴマダレでいただく。最近話題のタジン鍋にも似たヘルシーなレシピで、素材本来の味を楽しめると評判。それぞれメイン料理のほか、釜揚げしらすやめはり寿司、ハモのゴボウ巻き、金山寺味噌など、この土地ならではの名産品がズラリと付く。クエ料理は10~5月が旬、要予約。


食材に含まれる水分を利用して蒸し上げるから本来の味わいが凝縮され、グッと濃厚に

オリジナルの釣鐘鍋の蓋を取ると立ち上る蒸気に、思わず“ワァ~”と歓声が!

雲水オリジナル、香ばしい焼さんまの「清姫寿司」。持ち帰りほか、イートインもできる


建立1300年、紀州最古の寺 道成寺

道成寺

和歌山県日高郡日高川町にある天台宗の寺院。歌舞伎や能で名高い、安珍・清姫の悲恋物語の舞台となった紀州最古の寺。境内には安珍を埋めたといわれる安珍塚や、清姫が安珍とともに焼きつくした鐘楼跡が残る。「安珍清姫の物語」の悲恋住職による絵説き説法を随時、実施。安珍清姫のお話を、軽妙な話術と絵で面白おかしく聞くことができる。


あつみちゃん

100年以上も続くお店の歴史を聞き、時代を超えて受け継がれるこちらのつりがねまんじゅうの味がより一層おいしく感じられました。二代、三代に亘るファンも多いとか。「だからこそ、味を変えられないのです」という社長さんの言葉にも感動です。2Fのレストランでいただいた「釣鐘蒸し」は、ユニークな釣鐘の形をしたお鍋にびっくり! 水を使わずに食材の水分のみで蒸し上げるからヘルシーでさっぱりした味わいでした。カゴに美しく盛り付けられためはり寿司や金山寺味噌など和歌山の名物グルメを、「これは何ですか?」と、お店の人に一つひとつうかがいながら味わうのも楽しい! ほんのりと酸味がきいたピンク色の梅うどんがとても美味しかったので、1Fの売店でお土産にたくさん購入しました。でも友達にあげる前に、自分で食べてしまうかも(笑)。


みどりちゃん

大学のゼミで能楽の勉強をしていたこともあり、有名な「道成寺もの」ゆかりの地に来られたことにまず感動しました。道成寺にお参りしたあと、お寺に続く石段下の雲水さん別館へ。お店の壁に安珍・清姫の悲哀のストーリーが絵物語で展示されています。こちらのつりがねまんじゅうは、世界モンドセレクションをはじめ、国内の菓子博覧会などでも優秀な賞を受賞されているそうで、全国にファンがおられるとか。味や製法はもちろん、パッケージにもとっても凝っておられていて、箱のなかに「安珍清姫の物語」の解説が入っているのもうれしいですね。あとはクエ! 生まれて初めて食べました。刺身はあっさり、天ぷらはジューシー、小鍋はグッと力強い味わいで、濃厚なコクが魚というよりお肉に近いほど。クエコースの贅沢は、忘れられない、この冬の最高の思い出になると思います。



雲水

〒649-1331 和歌山県日高郡日高川町鐘巻1745-1 TEL.0738-22-2963

http://www.unsui.jp

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